■プロジェクト1:短編映画 『SECTION 1-2-3』(セクション1-2-3) 向島の路地から路地へ、シャイで寡黙な二人のスケートボーダーが滑り抜けてゆきます。「セクション」とは、スケートボーダーたちが遊ぶためのレール、ボックス、ランプといった遊具のこと。これは、まちの中で繰り返しセクションを作りながら、自分たちの“居場所”を探し続けるスケートボーダーたちの姿と移動の軌跡を通して、今この時にしか存在しない向島の風景を記録する映画です。 あえてこのエリアでは珍しい登場人物たちを主人公に据えることで、品川亮はまちのイメージを新しい角度から切り取ることに成功しました。映画の最後には思わず息を飲む未来の向島の姿も。急速に変わりゆくまちに対する、 ちょっぴり辛口なオマージュの込められた作品となっています。 ロケ地として、今話題の新東京タワーの建設予定地での撮影も敢行。登場人物として、地域にお住まいの方々にもご出演いただいたほか、アーティストのパルコキノシタ、松蔭浩之、そして向島芸術計画にも参加している三田村光土里らが、いずれも一癖ある脇役を演じています。成果報告展では、撮影の舞台裏を記録したメーキングビデオもご覧いただきます。 ●脚本・監督:品川亮(しながわ りょう) 月刊誌STUDIO VOICE編集長の傍ら、自主制作映画を撮り続けている。長編監督作品『亡霊極道』(ゆうばり国際フンタスティック映画祭2004参加)など。2007年2月、短編オムニバス『over8』の一作品として、「結晶都市」公開(シネマアートン下北沢)。また東映アニメーションより『画ニメ』シリーズとして、H・P・ラブクラフト原作『ダニッチ・ホラー』を監督(DVD発売中)。 『SECTION1-2-3』本編・上映時間 12:00 13:03 14:06 15:09 16:12 17:18 18:21 ※上映時間はおおまかな目安です。 多少前後する場合もありますのでご了承ください。 ※土・日は17:18の回が最終上映となります。 |
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■プロジェクト2: ワークショップ&パラパラ写真装置制作 『思い出への話』 これまでも向島地域で、様々なプロジェクトやワークショップを行って来た水内貴英と住中浩史。今回は向島にお住まいの方々との1対1のミニ・ワークショップを通じて、各自の身の回りの「何気ない日常」を撮影してもらい、1万枚以上に及ぶ連続写真を集めました。 その中からベストショットをセレクトして制作したのが、この巨大なホイール状のパラパラ写真装置。まさに向島のタイムカプセルとも言うべき作品です。成果報告展に合わせ、さらに内容もバージョンアップ。路地のまちを歩く時のように、どうぞゆっくりとしたペースでハンドルを回してご鑑賞ください。会場では、モニターを使った連続写真の展示も行います。 ●アーティスト:水内貴英(みずうち たかひで) 住中浩史(すみなか ひろし) 各地の地域アートプロジェクトや小・中学校でのワークショップで活躍。越後妻有トリエンナーレ2003『MEETS』(水内)、ワークショップ『こどもが彩るまちづくりプロジェクト』(向島/2004)など多数。今年は向島芸術計画のプロジェクト以外にも、据え置き式の水琴窟を用いた『路地琴プロジェクト』(AIGすみだコミュニティプログラム2006)を地域内で展開している。 |
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■プロジェクト3: アーティスト・イン・レジデンス 『編む女の棲む長屋』 5月の一ヶ月間、三田村光土里は京島の長屋(京三北ふれあい交友倶楽部)においてアーティスト・イン・レジデンスを経験しました。そして滞在期間中に、まちの人々の家の奥に眠っていた毛糸や手編みのセーターを集め、それらを素材に長い長いマフラーを淡々と編み続けました。 今回の成果報告展では、アーティスト自身がまちに同化することによって、次第に姿を消しつつあるまちや人々の記憶を、手編みのマフラーに託して再生させてゆく様子を、インスタレーションと、写真家・池田晶紀との新ユニット「池田みどり」による写真にまとめ発表いたします。 ●アーティスト:三田村光土里(みたむら みどり) 記憶やコミュニケーションをテーマに独自なアート作品を制作、国内外で高い評価を得ている。「Permanent Room」(現代美術製作所・個展/1999)「Not so smooth」(資生堂ギャラリー・二人展/2002)「幸福論」(東京都写真美術館・グループ/2003)「グリー ン・オン・ザ・マウンテン」(Secession ウィーン・個展/2006)など。 |
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