海外から日本にやってきたアーティストにとって、まず問題になるのが滞在先です。1、2週間の滞在なら、友人や知り合いの家、あるいはホテルや旅館などを利用することもできますが、数ヶ月間じっくり腰を落ち着け、日本の文化や社会に触れたいという希望の持ち主にとって、とりわけ東京は住みにくい場所かもしれません。 現代美術製作所では2001年秋より、墨田区向島にある自社所有のアパート(105号室)を、海外アーティストやキュレーターに賃貸する「105プロジェクト」を行っています。 私たちの目的は、自由に国内を動き回りリサーチを行う滞在者にたいして、活動の基点となる居心地の良いホームベースを提供するというシンプルなものです。滞在者へのアトリエの提供や、決まったレジデンスプログラムなどはありません。 ごく普通のアパートに入居するのと同じです。 間取りは一般的な2DKサイズで、生活に必要なものはあらかじめ完備しており、コンドミニアム形式で利用できます。 プライバシーも良好に保たれており、滞在者には、隣接する現代美術製作所より、日常の生活に役立つ具体的なアドバイスや、アートイベントに関する情報を随時提供するサポートを行っています。 また滞在者と地域住民の交流の機会も考慮し、そのような交流から小さなアートプロジェクトが自然に発生することもあります。 「105プロジェクト」は紹介制により、一般募集は行っていません。 原則として滞在期間が1ヶ月以上で、知り合いの美術関係者、美術館、大使館、財団の担当者が保証人となり、ご紹介頂いた場合にのみ受け入れを行っています。 これまで、イギリス、フランス、ベルギー、ドイツ、ブラジルなどのアーティストやキュレーターが滞在しました。 現在では、都内で活動する為に地方から上京、あるいは一時帰国する日本人アーティストの利用者も増えています。 この活動の詳細は、メールまたは電話にてお問い合せ下さい。 現代美術製作所・ディレクター 曽我高明 |
●「105」プロジェクトとは 現代美術製作所が2001年秋より、墨田区向島にある自社アパート(105号室)を、海外アーティストやキュレーター向けの都内滞在場所として提供しているコンドミニアム風賃貸システムです。 |